愛媛経済レポート:診察室では伝えきれないこと Vol.17~7月号~
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愛媛経済レポートに掲載のコラム
~診察室で伝えきれないこと~
第17回目となる記事が出ています。
今回の記事はこちら
診察室で伝えきれないこと vol.17
「第一大臼歯を失うな!!」
第一大臼歯、前から数えて6番目の歯…
呼び方はさまざまですが、とにかく第一大臼歯の保存(機能的な維持)はあなたのお口の中を将来に渡って健
康に保つポイントです。超高齢社会が進み健康寿命に関する話題が増えつつある今、何故この歯が大事なのか?
少し専門的な話ですが、三ヵ所のポイントに絞ってお話ししたいと思います(本当はもっとありますが…)。
1.全ての歯の基準となる
矯正治療では第一大臼歯は歯を動かしたり、診断を行う上での基準になります。この歯の位置関係を元に全ての
治療は組み立てられると言っても過言ではありません。
2.QOLの向上、維持のためにとっても大事な咀嚼機能の殆どを担っている
お口の中の食べ物は飲み込む前に適切な大きさに粉砕されなければなりません。その粉砕の機能は第一大臼
歯のわずか5ミリメートル四方の範囲(主機能部位)によって行われることがわかっています。ちなみに咬
み合わせ治療や補綴処置を得意、あるいは好きな歯科医師はこの手のマニアックな話が大好きです。
*人間の大臼歯は3本ありますが、進化の過程で第一大臼歯だけが食物を粉砕出来る形態や大きさになっているのです。
3.私の拙い臨床経験上
歯科医師はみな、第一大臼歯の崩壊からお口の中全体の崩壊を嫌という程見ています。この第一大臼歯、
歯科界では「key tooth」と呼ぶくらい重視しており、歯科医師は第一大臼歯の機能的な保存に全力を注い
でいますが…。現実は50歳で約3割の方が第一大臼歯を失っています(平成17年歯科疾患実態調査より)。
6歳前後で現れ過酷な環境にさらされるこの歯、みなさん本日は鏡を見てお礼を言ってください。
そしてかかりつけ医の先生と共に全力で第一大臼歯を死守してください。
大臼歯…いわゆる「奥歯」
ですが、皆さんは第一大臼歯だけが食べ物を粉砕出来るということを知っていましたか?では、もし第一
大臼歯がなくなってしまったらどうなるでしょう?この、「診察室では伝えきれないこと」でも、幾度と
なく「定期的なメンテナンス」の必要性について掲載してきました。第一大臼歯を守るため…もちろん他
の歯や口の中のトラブルから自身を守るためにも定期的なメンテナンスを始めてみてはいかがでしょう?
次回はどんな内容になるのでしょうか?来月号もお楽しみに…
ノエルクリニック心臓血管外科 歯科:埜下