診察室では伝えきれないこと Vol.22~12月号~

震災後に肺炎が増える??

東日本大震災/肺炎

 

「震災後肺炎」

この言葉聞いたことあるでしょうか?東日本大震災発生時、私は東京で勤務しており発生時刻は診療時間の真っ只中、大きな揺れ(東京でさえ)とあのときの衝撃は今でも忘れずにいます。あれから5年以上・・・。熊本やその他の地方でも地震は起こり、発生時のリスク管理の大切さはメディアで大きな話題となりました。 何故私が今回この言葉を取り上げたのか?先日歯科医師会で外部講師を招いての勉強会で、糖尿病内科の先生の講演により初めて知り同時に皆さまに広げることがとても大切だと思ったからです。 実は昔から「震災時に肺炎が増えるらしい・・・」との仮説がまことしやかに囁かれていましたが、統計的なエビデンスに乏いのが現実でした。そこで、3・11の大震災により日本から世界に向けて震災後肺炎についてのレポートが出ることにになります。皮肉なことにこのレポートは日本ではほとんど広がっていません。

以下前述の資料(レポート)を佐藤が要約します。


資料では震災の前と後で肺炎が増えたかどうか?そして死亡率ではその場所に注目している。結果、震災後3ヶ月の間に、225名が肺炎で入院(肺炎増加)。意外なことに介護施設が肺炎死亡率としては最も多く、45%もの方が亡くなっている。施設に関しては2つの施設を引用し、1つ目の施設では125人のうち5人が肺炎を発症し全員が死亡、一方2つ目の施設では震災後肺炎での死亡者は0となっていることに着目。同じ気仙沼の同規模の施設を比較し何の違いがあるのかを調査した結果、後者の施設では地元の歯科と連携し、利用者の口腔内の状態を定期的にチェックしてリスク管理および震災後の口腔ケアの徹底を行っていた。


東日本大震災で経験したように、震災、時には様々な憶測や風評被害が飛び交います。しかし事実として大事にしなければならないリスク管理の一つが口腔ケアの徹底。平時からの歯科定期通院と口腔感染制御の実践が大事。緊急避難袋には家族全員分の歯ブラシを! 以上現場からのリポートでした。

ノエルクリニック心臓血管外科 歯科