愛媛経済レポート:診察室では伝えきれないこと Vol.30~9月号~

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~診察室で伝えきれないこと~

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歯科治療、何手先まで考える?

歯科治療/藤井聡太

 

「一つの変化だけを読むなら、

10手とか15手ですが、枝分かれするので、100手とか1000手とかの単位になります」。

1000手先まで考えて勝負している?!

何気なくインターネットの記事で見た羽生善治氏のコメントにビックリした私、この瞬間このコラムのタイトルが決まりました。今回は、将棋のお話ではありません。もちろん羽生善治氏でも話題の藤井聡太氏でも。

ただ、歯科治療でも

「何手先まで考えて治療するのか?」はとても大事。そのことについて今回は触れたいと思います。

前からしつこい位書いているように

(大事なことなのでこれからも度々登場します)「歯の治療は元に戻れない」=治療は次の一手に進むのみ。そして歯という物理的なものがある以上やり直しできる回数は決まっています。

 1つの疾患(例えば虫歯)

に対してのアプローチ、今の歯科医療では何種類かあることが珍しくありません。それぞれに特徴があり、担当医の先生と相談していくとは思うのですが、是非その選択基準には「その次の一手をどう考えていくか」を入れてください。

未成年の若い患者様であれば、

将来の再治療を考慮した設計ラインを、歯周病のリスクが高い男性には、審美性よりも将来の歯周病のコントロールを重視。または疾患に罹患した時にリカバリー出来やすい形を・・・インプラントもそう。奥歯で将来歯周病のリスクがある部位の治療と、高い審美性が要求される前歯の治療ではアプローチや選択材料がまったく変わってきます。

 あと10年使えればいいのか、

後40年使用するのか・・・アプローチの仕方は変えなければなりません。今の時代、身体も歯も長い時間軸の中でリスクをコントロールしていかなければならないのです。 「一手指すということは、この手はやってはいけないとか、この手は可能性がないとか、本当は瞬時にたくさんのことを考えているんです(羽生善治)」。


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